次女の乳歯がグラグラしはじめた。
布団に入り「おやすみ」と言ってしばしの静寂の後、暗闇の中で次女が「グラグラしてる!」と叫んだ。
横にいた長女と私が何のことを言っているのかがすぐにわかったのは、次女がこの時をずっと待ちわびていたから。
「あのね、今日ね、〇〇ちゃんの歯が抜けたんだよ」「△△ちゃんは2本目の歯がグラグラしてるんだって」の報告に次女の仲良しさん達の名前がおおかた上がった後も次女の歯に変化はなく、次第に報告の後に「私の歯はいつ抜けるのかなぁ」「何で私の歯はグラグラしないんだろう」がつくようになった。
その後のコロナ禍で幼稚園に行くことも少なくなり、お友達の話が少なくなってからも、時々思い出したように歯を指で触って確かめながら「ママ、私の歯はいつグラグラするの?」と泣きべそ顔で聞いてきたりもした。
その度に「そのうちにグラグラするから心配しないでいいんだよ。」と伝えるものの次女の顔は晴れず、夫の「お父さんの歯はね、虫歯になって抜いたらもう生えてこないからね。インプラントにしたんだよ。」と出だしは良かったものの着地に失敗した励ましの言葉はただの治療報告となり、長女の「さ、お姉ちゃんと一緒に遊ぼ!」の声が次女の気持ちを切り替える特効薬だった。
そんな次女の歯がついにグラグラしはじめたのだ。
ついに!!やったね!とと3人でしばし騒いで2度目のおやすみを言った後、次女が「朝起きたら、またグラグラじゃなくなってたらどうしよう・・・」とつぶやいた。「寝ている間に大人の歯がニョキニョキ生えてもっとグラグラするかも」と言うとそのまま眠った。
次の朝、起きてきて「グラグラしてる〜!」と報告してくれた次女は満面の笑顔だった。
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